タップ・ダイス 工具の取り扱い

ネジ山が潰れてなくなった!
そんな時はタップとダイスで再生しよう!

こんにちは!

 

突然ですが整備士のみなさん。こんな恐ろしい経験したことありませんか?

 

無理して締めたらネジ山が潰れてしまった

なんかボルトがずっと締まらずクルクル回る

 

それはネジ山がなくなってしまい、締まらなくなるのが原因です。

そんな経験したことありませんか?私は何度もしてきました。。。といいますかいまだにやります。辛い。

 

さて、そんな今回はそんなネジ山を復活させたい時に使う工具

タップダイスについて説明します!

このタップちダイスを使いこなせると整備も恐れずできるようになります。

ネジ山がなくなってどうにもならなくなってもこの工具達で直せます。

知っていると突然のトラブルも焦らなくなりますので、覚えておいて損はしないでしょう!

それではいきましょー!

 

 

タップとダイスについて

まずはタップとダイスって何というところから説明します。

要するにこれはネジ山修正工具です。

ナットようにメス側のネジ山(ピッチ)を修正するものをタップ。

反対にボルトの山を修正するのに使用するものをダイス。

まずはこれを覚えてください。

タップ 参考:wikipedia

ダイス 参考:Wikipedia

 

正直どっちがどっちってすぐには分からないですよね。私はすぐ答えられません。。

なので今回を機に私もパッと名前と物が一致する覚え方ないかなと考えました。

それで私が区別しやすいなぁと思った覚え方は、部材をタッピングするからタップそうじゃない方がダイスと覚えるようにしました。

ちなみにタッピングというのは部材に自らネジ山を作りながら締まるタッピングネジと似ているためそこからから取りました。皆さんも迷った時は参考にしてみてください。

参考:モノタロウ

ちなみにこれがタッピングネジと言います。タッピングにはねじ込むみたいな意味があるそうです。

 

使用方法・種類・注意点

使用方法ですがまず単体では使えません。回すためにハンドルにつけなければなりません。

ここでもどかしいのがハンドルが結構長い!タップは実車のネジ山修正に使ったりするのでハンドルが邪魔だったりします。

タップハンドル 参考:モノタロウ

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

タップハンドル 参考:モノタロウ

基本的には車両に取り付け状態で使うように考えられていないかもしれません。

ダイスはボルトなどの修理なので単品で外した物を使いますがタップは実車のネジ穴が潰れてしまっている時があるので狭い所でも使用しなければならない時があります。

なので私は実車の修理をスパナで回していたりしていました。

スパナが結構便利なので慣れている人はやってみてください。

まぁ短いハンドルなどあるのでそれを使えばいいんですけどね。スパナだとすぐ使えるのでつい使ってしまいがちでした。

 

タップの種類

タップに関して言うと種類が3種類あります。これは順番に先タップ中タップ仕上げタップというものです。

何が違うかというと山の数が違います。

いきなりネジ山になると穴に上手く入らずに斜めに入ってしまったりします。

なので先タップは先端が入りやすいように山がなくそこであらかたネジ山を作ります。

そして中タップ、仕上げタップの順で仕上げていくと最後まで削れてきれいに仕上がります。

ネジ山ができていて修正するためなら仕上げタップだけでもいいかもしれませんが、ただの穴から新たにネジ山を作る場合この段階を踏んでいかないときれいに真っすぐなネジ山は作れません。修正めん時もめんどくさがらずにきちんと行うことをお勧めします。

参考:ファクトリーギア

左から先、中、仕上げです。だんだん山を増やすことで深いところまでネジ山を作れるわけです。

 

逆回し

それと大事なのが逆に回すということです。

これは、正方向(時計回り)に回していくと切り粉がどんどん溜まって行きます。

その切り粉が詰まって回せなくなり、無理して回したりして結果的にせっかく綺麗にしていたネジ山を潰してしまいダメにする場合があります。

それを防ぐために2~3周回したら逆方向に回しましょう。そうすると切粉でのひっかかりが解消されてスムーズに材料に入っていきます。この時あればですが潤滑スプレーなどあると尚良いかと思います。

 

注意点

注意点といたしましては斜めに合わせて回さないことです。

ネジ山は正確に山が並んでこそ締めこまれて行きます。なので当然ですが斜めにしながら回していくとネジ山が潰れてしまったり斜めになってうまく締まらなくなっていきます。

同様に一からネジ穴を作る際には斜めに入れて始めてしまったらもうそのままいくしかないですからね。気を付けてください。

 

もう一つはピッチを間違えないことです。

ピッチというのは山の間隔みたいなもので、これが違うものだと当然ボルトやナットは締まっていきません。

このピッチを間違えてタップとダイスを使うと大変なことが起きますので使う前は必ずちゃんと合っているか確認してください。

後はピッチをしっかり合わせることです。

意外に微妙なピッチだと無理すると回ってしまうことがあるんですね。

そうなるともう締まらなくなるのでピッチゲージなどで確認をしてからタップやダイスを選択してください。

 

 

ヘリサートについて

 

ヘリサートというものはネジ山修正というところではタップやダイスと同じですがヘリサートはアルミの素材に使います。

アルミ素材は軟らかいため、タップで修正しただけでは、穴を広げるだけでねじ山が作れません。

そこでヘリサートといって新たに固いネジ山を入れることでアルミのネジ山を修正します。

参考:日本スプリュー株式会社

こんなんです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

参考:モノタロウ

↑ちなみにこれが入れる用の工具です。これを使ってヘリサートをグリグリ回して穴に入れるわけです。

 

 

使い方としては

1.下穴を開ける。

ヘリサートを入れる関係上少し大きな穴を開けます。

2.専用タップでネジ山を作る。

ここではヘリサートを入れる用のたまだボルトなどは入りません。緩いです。

3.専用工具でヘリサートを入れる。

慎重に入れないと上手く入らず何度やっても失敗します。私は大抵一回では成功しないです。(汗)

4.タングを折る。

 

 

専用工具を引っかけるところをタングと言いますが最後そこが邪魔なので折ります。特に折り方はないので私とかは専用工具をハンマーで叩いて折ったりします。

この4工程でヘリサート加工は終了です。これを覚えておくとアルミのネジ山をダメにした時に修正ができて部品交換などにならなくて済むのかなと思います。

 

ヘリサートは加工が難しく少しコツが必要です。

始めは上手くできませんが、慣れたらすぐできますので使い方をしっかり覚えておきましょう。

 

動画がより分かりやすいかなと思います。ご参考に見てみてください。

 

 

いかがでしょうかだったでしょうか?中々使う機会は少ないと思いますが覚えておくとかなり便利な工具ですのでこういうのがあるよと覚えておくと便利です。

 

今回は以上です。ありがとうございました!

 

 

ike-masu

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